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UNIX TOKYO - COLUMN

中室太輔のユニフォームって

中室 太輔

1981年生まれ / 東京都出身
(株)ベイクルーズ内メンズブランド「edifice」にて販売職、プレスを経て、同社退社後2008年に国内外のファッションブランド、スポーツブランドを中心にPR、プロモーションを手掛ける「muroffice Promot ion Planning」を設立し、代表兼ディレクターを務める。

珍事。

 「ピンストライプのユニフォームの重さというのは野球を経験した者にしかわからない」

 これはかつて、対戦するバッターのバットをその豪速球でしびれさせたことから“クラゲ”とも呼ばれ、日本のプロ野球、そしてアメリカのメジャーリーグで活躍した故 伊良部投手がニューヨークヤンキースの入団記者会見で放った有名な言葉である。伝統のユニフォームというのはその道の人からするとやはり相当特別なものなのだろう。まあ、同氏の場合は自分の体重の方がだんだんと重くなってきていた感があるのは否めないところだが、それはさておき、これはそのユニフォームを着る側ももちろんそうかもしれないが、そのチームと対戦する側の方がむしろある種の特別な感情を抱きすぎて、見えない何かに圧倒されてしまうのも少なくないのではないだろうか。私の友人は高校時代にサッカーのインターハイで強豪 帝京高校と対戦して見事に惨敗したらしいのだが、その友人は「今思えばあの黄色いユニフォームが視界に入った試合前の練習の時点で負けていたのかもしれない」と話していたほどだ。

 高校におけるメジャースポーツのこの季節に開催される全国大会といえば、高校野球の“夏の甲子園”である。全国から各都道府県の予選を勝ち抜いた高校の球児たちが夢の舞台『甲子園』で夏の炎天下の中連日熱戦を

繰り広げるわけだが、もちろん高校野球にも“甲子園常連校”と言われる強豪高校があり、そのどれもが他のチームを対戦する前から圧倒する力を持つ伝統のユニフォームである。その中に奈良県の智弁学園と和歌山県の智弁和歌山という高校がある。この二つは言わば同じ系列高校であり、両校とも言わずと知れた甲子園の常連校だ。その両校を巡って、かつてスポーツにおけるユニフォーム史に残るある珍事が甲子園で起こった。それは2002年のこと。両校ともニ回戦を勝ち上がり、三回戦でこの両校が対戦することになったのだが、ここからがその珍事の幕開けである。何を隠そう、この二つの高校のユニフォームは肩に入った校章と県名の刺繍以外“全く同じ”だったのだ。これは試合をしている本人たちもそうだったと思うが、見ているこちらも非常にややこしかった。全く同じユニフォームのピッチャーとバッターが対戦し、スリーアウトチェンジ後も全く同じユニフォームのピッチャーとバッターが対戦するのだ。見ている方はどっちが先攻でどっちが後攻なのか頭の中はごっちゃごちゃである。結局試合の方は7-3で智弁和歌山が勝利したのだが、試合終了後ホームベースを挟み両チームが挨拶をしてお互いがお互いを讃えるために握手したり抱き合ったりして、もう誰がどちらのチームの選手か分からなかった。負けた智弁学園の選手が勝った智弁和歌山の選手にまぎれて勝利の校歌を歌っても分からなかっただろう。いや、智弁学園の全員が智弁和歌山の方に入って勝利の校歌を歌っても

「智弁和歌山ってベンチにいっぱい人が入っていたんだね」ぐらいにしかならなかったと思う。そんな珍事を起こしてしまうのも集団を象徴する『ユニフォーム』の魅力の一つなのかもしれない

2016.07.25

【トリビア】

 トリビア。

 この言葉を初めて耳にしたのは、とあるテレビ番組の番組名だが、調べてみるとラテン語で“トリビア”というのは「三叉路」という意味で、「どこにでもある」「ありふれている」というところから、くだらないことやつまらないことという意味になり、いつからかそれが雑学的な「知識」や「豆知識」を指す言葉になったらしい。

 私は中学、高校と制服が詰襟の学生服、いわゆる「学ラン」だったのだが、読者のみなさんは詰襟の学生服をなぜ「学ラン」というかご存知だろうか。何を隠そう、今回はその「学ラン」に関する“トリビア”をここで披露しようと思っているのだが、「学ラン」の「学」は学生服の「学」というのは容易にわかるだろう。問題は「ラン」である。「ラン」というのはどこから来ているのか。それはズバリ「オランダ」から来ている。オランダのことを漢字では「阿蘭陀」と書くが、省略する場合は「蘭」と表記する。詰襟の学生服は和服に対して、洋服であり、江戸時代、当時鎖国中の日本では西洋の学問を「蘭学」といっていたように、西洋のもの全て阿蘭陀(オランダ)の「蘭」が代表する名前となっていたため,西洋風の男子学生服を指す隠語として「学ラン」と呼ぶようになったのが始まりらしいのだ。これを読んで頂いている方の中で「へー」と思ってくれた方がいたのであ

ればこれ以上ない至福なのだが、それはさて置き。これを書いていて気になったのだが、オランダを「阿蘭陀」と表記したり、イタリアを「伊太利亜」と表記したり、一体誰が初めにこの当て字の表記をしたのだろう。その無理矢理な当て字の表記のみならず、結構センスを疑ってしまうものもあるのも事実。例えばフランス。漢字で表記すると「仏蘭西」となり、省略すると「仏」となるのだが、ちょっと待ってほしい。フランス国民の大半がキリスト教徒ではないか。そして「米」と表記されるアメリカに至ってはその多くの主食は「パン」ではないか。それだけでもセンスを疑ったが、国務長官の名前が「ライス」だった時には目眩にも似た感覚を覚えちゃったりした。まあ、人物の名前は仕方ないにせよ、この国名の表記はどこかのタイミングで変えられないものだろうか…。

2016.01.26

れぺぜんんじゃぱん。

 五郎丸。

 少し前なら「何それ?漁船?」とでも言われていたかもしれないが、ラグビーW杯で3勝という日本代表の快挙以降、今ではすっかり同代表チームのフルバックは知らない人がいないぐらいの知名度となった。もちろん五郎丸選手だけの力ではなく、ラグビーには「All for one. One for all.」という言葉があるように、まさに選手、コーチ陣含めたチーム全体で勝ち取った勝利と言えよう。

 そんな彼らの大活躍も去ることながら、僕が気になったのが彼らのユニフォームである。

 僕はかねてから、サッカー日本代表のユニフォームの「日本国旗感ゼロ」のカラーリングを含めたデザインに違和感を感じてきた。だってブラジルだって、アルゼンチンだって、イングランドだってみんななんだかちゃんと国旗をイメージできるじゃないか。クロアチアに至っては、国旗を素直にユニフォームに落とし込みすぎて、なんとも可愛い赤と白のブロックチェックである。白に赤い丸がどーんの国旗の日本が青だなんて、なんだかしっくり来ないのだ。

 そんな中、今回のラグビー日本代表の登場である。彼らの大活躍と共に、僕の目に飛び込んできたのは僕が今までサッカー日本代表のユニフォームに対して感じてきた違和感を

きれいさっぱり払拭してくれるほどの「日本国旗感“満載”」のユニフォームのデザインである。外国からの帰化選手が多くたってなんのそのだ。もしサッカーW杯フランス大会で日本代表のユニフォームが今回のラグビー日本代表のユニフォームだったら、ロペス・ワグナー選手は日本人に見えたかもしれない。
・・・。

 それはさておき、なんとか一試合だけでもいいから今のサッカー日本代表の彼らが赤と白の横縞のユニフォームを着てるところを見てみたいものだ。

 ちなみに、なぜサッカー日本代表が「青」なのかを探るべく日本サッカー協会のウェブサイトを見てみると「日本の国土を象徴する海と空の青」と一般的に考えられていますが、実際は後になってつけられた理由で、なぜ青なのかということは文献が残っておらず不明です。

と書いてあった。違和感となんとも腑に落ちない感じが余計にしてしまったのは言うまでもない。

2015.10.23

プロローグ

はじめまして。

この度、こちらのUNIX TOKYOさんのウェブサイトにてコラムを書かせて頂くことになりました、ファッション PR ディレクターの中室太輔です。

「制服やユニフォームについて書いて下さい」と担当の方から言われた時、正直何を書けばいいかわからず戸惑ってしまったのですが、自分のファッション観を形成する上で、学生時代に袖を通してきた「制服」や「ユニフォーム」から影響を受けたことは少なからずともあるわけで、その「制服」や「ユニフォーム」というものを今一度掘り下げて考えるのはなんだか意義があるものに思えたので、つらつらと書かせて頂こうと思います。

「制服」というとちょっと限定されてしまいますが、英語にすると「uniform(ユニフォーム)」となり、スポーツ競技のユニフォームなども入ってくるので幾分か幅の広い内容になるかと思いますが、お仕事の合間やお昼休み、はたまた3時のおやつのお供などに読んで頂けたら嬉しいです。どうぞよろしくお願い致します。

2015.03.20
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