2025年4月、福岡・天神の地に『ONE FUKUOKA HOTEL』が開業しました。

“文化の発信地”として多くの人に愛されてきた旧・福岡ビルの記憶を受け継ぐONE FUKUOKA BLDG.。その最上階に位置するこのホテルは、一歩足を踏み入れた瞬間から、見晴らしの良い景色と、上空ならではの静かな時間が迎えてくれます。

その世界観を装いの面から支えているユニフォームについて、ONE FUKUOKA HOTELの髙畠 隆広さんにお話を伺いました。

 

吹き抜ける風とともに過ごす、ONE FUKUOKA HOTEL

天神の街を見下ろす場所に佇む、ONE FUKUOKA HOTEL。
滞在のスタイルに合わせて選べる多彩な客室と、大きな窓や吹き抜けを取り入れた開放感のある設計が特徴です。

「ONE FUKUOKA HOTELのコンセプトは、『天神の空に、くつろぐ』です。

このホテルをつくる上で大切にしたのは、“どこにいても風を感じられる”ということ。ルーフトップのカフェ&バーやガーデンテラス、こだわりの中庭、大浴場とサウナの外気浴スペースなど、館内のどこにいても心地よい風を感じていただけます。
客室の窓もすべて開けられるようにしているので、景色とともに開放感を味わっていただけます。

ここを訪れたお客様には、日常から少し離れ、ゆったりとした時間を過ごしていただきたいと思っています

天神の街並みと博多湾を望む眺望は、時間とともに表情を変え、訪れる人それぞれの穏やかなひとときを彩ります。そして、その想いは、ユニフォームへと受け継がれています。

 

構えずに過ごせる空間を目指して

ユニフォームの制作にあたり、高畠さんが思い描いていたのは、ホテルの空気感と調和する装いでした。


写真左:ONE FUKUOKA HOTEL 髙畠 隆広さん/ 写真右:UNIX TOKYO 堀 和博

 

「お客様は非日常を楽しみに訪れてくださるのに、そこにネクタイを締めたスタッフが並んでいると、かえって緊張感を与えてしまうのではないかと感じていました。

身構えずに、心からくつろげる空間をつくるためにも、ホテルに流れるゆったりとした時間とリンクするような佇まいにしたかった。従来のクラシックなスーツスタイルとは異なる装いを選びたかったんです」

もう一つ、ユニフォームづくりにおいて大きなテーマとなったのが、部署の垣根を越えた一体感でした。

フロント・宿泊・レストランの制服をあえて統一することにしました。制服が同じであれば、お客様が“誰に声をかければいいか”を考える必要がなくなります。そういった小さなストレスをなくせるような、シームレスな接客を実現したかったのです」

 

“風を感じるユニフォーム”が描く、新しいホテルのかたち

お客様にとって本当に心地よい佇まいとは何か——その問いから始まったユニフォームづくり。完成した装いは、従来のホテルスタッフのイメージとは一線を画すものになりました。

「堅苦しさをなくし、肩の力が抜けた雰囲気を出すために、ネクタイを締めないノーカラーのセットアップスタイルを採用しました。
色は、ホテルのコンセプトカラーに合わせて、明るく落ち着いたベージュを基調にしています。ネイビー中心のスーツとは違って、汚れが目立つのではという不安もありましたが、実際に運用してみると、特に気になることはありませんでした」

明るいベージュカラーは、ホテル全体の雰囲気までも軽やかにします。そして、このユニフォーム最大の特徴は、シャツを外に出して着るスタイルです。

「シャツアウトのスタイルは、ホテルとしても前例のない試みでしたが、その分、このホテルらしい空気感が出せたと思っています。リラックスした印象がありますし、着崩れしにくく、しゃがんだときに背中が見えないなど、機能面でのメリットもあります」

ボトムスは、ゆったりとしたパンツスタイルで統一しています。

動きやすさを重視して、太めで長さのあるデザインにしていただきました。下着のラインが出にくいこともあり、スタッフからは“安心感がある”、“履きやすい”という声が上がっています。体型や性別、国籍を問わず、誰でも着こなせるデザインが、このユニフォームの魅力だと思っています」

 

「この制服で働きたい」——現場に届いた声

開業準備と並行して進んだ採用活動。その中で、ユニフォームの存在感は想像以上に大きかったといいます。

「面接の際に、『制服はどんなものですか』と聞かれることがとても多いことに驚きました。どんな服を着て働くのかが、今の若い世代にとっては大切なモチベーションの一つになっているのだと感じます

当時はまだ制作途中だったため、デザイナーが描いたラフスケッチを見せていたそうです。

「スケッチをお見せすると、『この制服を着たいです』『素敵ですね』と言ってくださる方がとても多かったです。中には『この制服なら安心です』という声もありました。採用にも大きく貢献してくれたと思っています

開業後、実際に運用が始まってからも、このユニフォームは現場を支えています。

「制服は各自が自宅に持ち帰って洗濯しています。私も開業してから何度も洗っていますが、まったく問題ありません。クリーニングに出す手間がないのは嬉しいですね。
また、部署を異動しても同じ制服をそのまま着られるので、コストを抑えられるという運営上のメリットもあります

制服を揃えたことで、スタッフの意識にも変化が生まれています。

「制服を統一したことで、お客様はどのスタッフにも気軽に声をかけられるようになりました。スタッフ側も、いつ何を聞かれてもいいように、他部署の情報を取りに行ったり、メニューを覚えたりするなど、自分の担当だけでなく、ホテル全体としてどう動くかを考えてくれます。

こうした積み重ねが、スタッフ一人ひとりのおもてなしの質やスキルを高め、結果として、お客様により良い時間を届けることにつながっていくのだと思います

天神を吹き抜ける風で穏やかにゆれるユニフォームは、単なる”仕事着”ではなく、ホテルの世界観を体現し、チームの意識をそっと支える存在となっています。

UNIX TOKYOへのお問い合わせ

アバター画像

制作担当者

堀 和博

ブランドや空間が持つ「佇まい」をどう衣服に落とし込むかを常に意識しています。お客様と対話を重ねることで、理想の一着に近づけていく過程が私たちの仕事の醍醐味です。ユニフォームが「着る人の自信」につながれば、これ以上嬉しいことはありません。