働く人がより快適に、心地よく過ごせる現場を目指して誕生したUNIX TOKYOのオリジナルユニフォームブランド「NEUTRISM(ニュートリズム)」。ニットシューズに続く新たな挑戦として、プリーツ素材を使ったユニフォームシリーズが登場しました。
古くからある加工技術でありながら、ユニフォームとしては未開拓だったプリーツ。その可能性に着目し、サービス業の現場に新しいスタンダードを提案するNEUTRISMの想いに迫ります。
ユニフォームの次の時代を拓く素材──プリーツという選択
NEUTRISMは、サービス業で働く人々の“疲れを中和し、心身をニュートラルな状態へ戻す”ことを使命に生まれたブランドです。
その第一歩として生まれたのが、長時間動き回っても笑顔でいられるニットシューズ。そして次に挑んだのが、プリーツを使ったユニフォームでした。その背景にあるのは、既存のユニフォームの枠を超え、働く人にもっと寄り添う新しい選択肢をつくりたいという堀和博の強い想いです。

「サービス業の現場は、動き回ることも立ちっぱなしでいることも多く、ユニフォームには“動きやすさと疲れにくさ”が欠かせません。その機能性を確保した上で、働く人の佇まいを美しく見せる表情や、現場に自然と馴染むスタイリングをつくれないかと、ずっと考えていました。
その答えとして辿り着いたのが、プリーツです。プリーツはどこか日本的で、凛とした感じと、優しさを感じる素材。技術そのものは古くからあるものの、ユニフォームに置き換えることで新しい可能性が生まれると感じました。」
プリーツがユニフォームにもたらす可能性
そんなプリーツをユニフォームという視点で見てみると、理想的な特性がいくつも備わっていることが分かります。
シワになりにくい

プリーツの大きな特性のひとつが、美しい状態を保ちやすいことです。
「もともと折り目がついている素材だからこそ、忙しい現場で動き回ってもシワが目立ちません。長時間着用しても印象が崩れにくく、接客の多い現場でも安心して着続けられます。」
軽やかで、体への負担を感じにくい
プリーツは裏地を付けるなどの複雑な加工ができません。しかし、その制約こそがメリットとなります。
「シンプルな作りだからこそ、仕上がりが軽くなるんです。着心地もよく、長時間着ていても体への負担を感じにくい。ユニフォームにとって、軽さと着心地の良さは大きな魅力だと思います。」
体型に左右されにくい

プリーツの伸縮性も、ユニフォームにとっては大きな武器となります。おおよそ3サイズほど伸びるため、体型の違いや日々の変化にも柔軟に寄り添います。
「SS・S・M・L・LLというシンプルなサイズ展開で、ほとんどの体型に対応できます。妊娠などで体が変化する時期でも、買い替えずにそのまま着続けることも可能です。それにより、在庫管理のストレスをぐっと減らすことができます。」
自宅で洗える手軽さ
ユニフォームの管理で負担になるのが、クリーニングに出す手間とコスト。でも、プリーツ素材なら業務用クリーニングに頼らなくても、自分たちで簡単にお手入れできます。
「プリーツは、自宅で洗えて、乾きも早く、シワにならないため、お手入れがとても簡単です。一着の値段は安くはありませんが、クリーニング費用まで含めて考えると、コストパフォーマンスが高いと言えます。」
プリーツだから実現できる、ユニセックスの新しい基準
ユニフォームのカジュアル化やSDGsの流れによって、性別にとらわれないユニセックスなデザインを求める声が高まっています。しかし市場で“ユニセックス”と呼ばれるものの多くは、真の意味でニュートラルとは言えない現状がありました。

「ユニセックスと言われる服の多くは、男性向けのデザインを女性が着られるサイズに小さくしただけのものがほとんどです。しかしそれは、本当にユニセックスと呼べるのだろうかーーとずっと疑問に思っていました。
本物のユニセックスとは、性別の差が自然とぼやけて、誰が着ても同じ佇まいになること。そんなユニフォームを作りたいと思いました。」
プリーツの特性を活かした、性別を問わずなじむニュートラルなデザインは、“本当の意味でのユニセックス”を形にします。
「プリーツを取り入れることで、性別や体型にとらわれない、本当のユニセックスユニフォームが実現できました。どのように着こなしても様になりますし、シルエットが体に寄り添ってくれるので融通が利くのです。着る人に“委ねられる”懐の深さがある素材だからこそですね。」

さらに、プリーツユニフォームは日々の着こなしにも広がりを持たせます。
「たとえば黒とベージュのセットアップを持っていれば、上下の組み合わせを変えるだけで四通りの着こなしができます。毎日同じ服を着る単調さもなく、その日の気分でスタイリングを変えることができる。ユニフォームとしての楽しみも広がります。」
風を感じる場所で、和の心を纏う──想定する現場
NEUTRISMのプリーツユニフォームは、スモールラグジュアリーなホテルや旅館、リゾートホテルなど、佇まいを大切にする現場との相性が非常に良く、木々や風、光がつくる情緒を活かした場所でひときわ美しく映えます。

私たちは、これから伸びていくホスピタリティの現場に強い期待を寄せています。
「地方都市は、これからどんどん、その土地の魅力を引き出せるホテルや旅館が増えていくと思っています。スモールラグジュアリーホテルや旅館で、和服や和服に近いスタイルを着ているスタッフの方々に、このプリーツユニフォームを着てもらえたら嬉しいですね。沖縄のビーチリゾートのような場所でも、風に揺れて表情が出る服はとてもよく合うと思います。」

また、ユニセックスなだけでなくボーダレスなデザインは、多様な背景を持つスタッフが働く現代のホテルやレストランにとって、大きな力になります。
「国籍を問わず、誰が着ても自然となじむシンプルなデザインです。だから、“似合わない”ということが本当に少ない。いろんな背景を持つスタッフが、同じ空間で心地よく調和できるユニフォームだと思っています。」
また、これまでUNIX TOKYOはオーダーメイドを基本としていましたが、今回のプリーツユニフォームは、既製品としてご用意し、必要な現場に、必要な数だけお届けできる体制を整えています。このユニフォームを必要としている現場で、役立てていただけたら嬉しく思います。
NEUTRISMが描く、これからのユニフォーム
プリーツに続く次の取り組みとして、ニット素材を用いたユニフォームの開発も進んでいます。
レストランやホテルのレセプショニストのように、“施設の顔”となるスタッフに向けて、動きやすさと華やかさを備えた一着を届けたいと考えています。
「ニットなら動きやすく、女性らしい華やかさも出せるため、レセプショニストの方々にとって相性の良い素材だと感じています。
これまでニットは強度の面でユニフォームには向かないと言われてきましたが、ポリエステルの再生繊維を使い、編み方にも工夫を凝らすことで、十分な耐久性を持たせることができます。これまでタブー視されてきた常識を覆す一着をつくりたいですね。」
NEUTRISMは、既存の素材や技法をユニフォームへと置き換え、現場の課題に寄り添う小さなイノベーションを重ねながら、これからも新しい価値を提案していきます。
制作担当者
堀 和博



