「制服を変えたい」と考えたとき、まずデザインから検討される方は多いと思いますが、実際に長く使っていく中で差が出るポイントをご存知でしょうか。
着心地がよいか、すぐに傷まないか、企業としての印象に合っているか。これらはすべて、生地選びに大きく左右されます。
本記事では、制服制作の現場で実際に重視しているポイントをもとに、失敗しないための制服の生地の選び方をお伝えします。
制服の生地選びが重要な理由

制服の生地は、単なる素材ではなく、働きやすさや企業の印象に直結する重要な要素です。日々の着用シーンを考えると、その影響は想像よりも大きいものになります。
毎日着るからこそ、業務効率に影響する
制服は、毎日長時間着るものです。だからこそ、機能性の違いがそのまま現場でのストレスに直結します。
暑すぎる、動きにくい、乾きにくい。こうした小さな違和感も、積み重なることで作業効率や集中力に影響を与えてしまいます。
快適に働ける環境を整えるうえで、生地選びは欠かせない要素なのです。
企業の印象を左右する
制服は、企業の第一印象をつくる大切な要素の一つです。
清潔感があるか、きちんとした印象か、高級感があるか。こうした見え方は、デザインだけでなく、生地の質感や風合いによって大きく変わります。
制服の印象は、そのまま企業のブランドイメージにもつながるため、生地選びを軽視することはできません。
買い替え頻度=コストに影響する
一見コストを抑えたつもりでも、耐久性の低い生地を選んでしまうと、早い段階で劣化し、買い替えの頻度が増えてしまいます。その結果、トータルで考えたときのコストが高くなってしまうケースも少なくありません。
逆に、耐久性の高い生地を選ぶことで、長期的に安定した運用につながります。
リスク管理や安全性の視点
さらに、リスク管理や安全性の視点も欠かせません。業務内容によっては、生地の機能がそのまま安全対策につながります。
例えば、精密機器を扱う現場では静電気防止素材、火気を扱う現場では防炎・耐熱性素材、夜間作業では高視認性素材など、環境に応じた選定が重要です。
また、透け防止やUVカットといった機能も、プライバシーや健康面への配慮としても必須です。
加えて、ノーアイロンや、撥水・防汚、吸汗速乾といった機能は、日々のメンテナンス性を高め、着用者の負担軽減にもつながります。
制服の生地の選び方|まず考えるべき3つの基準

生地選びに迷ったときは、次の3つの視点で整理してみてください。
① 機能性(現場に合っているか)
まず大前提として「その現場で本当に必要な機能かどうか」を見極めることが重要です。
例えば、
- 吸汗速乾:暑い環境や動きの多い業務に
- 防汚・撥水:飲食や作業現場に
- ストレッチ:ほぼすべての業種で求められる基本機能
- 通気性・保温性:季節や地域に応じて
- 制電・抗菌:専門性の高い現場で
といったように、「とりあえず機能をつける」ではなく「なぜ必要か」を整理することがポイントです。
特に近年は気温の上昇の影響もあり、吸汗速乾のニーズは多くの業種で高まっています。
② 耐久性(長く使えるか)
どれだけ見た目がよくても、すぐに傷んでしまっては意味がありません。
チェックしたいのは、
- 摩擦への強さ
- 洗濯耐性(家庭洗濯・業務クリーニング)
- 毛玉の出にくさ
- 色落ち・退色のしにくさ
といったポイントです。
現場によっては、クリーニング会社による強いメンテナンスに耐える必要もあります。
また、堅牢度(染色の丈夫さ)が低い・メンテナンスリスクが高い・廃盤リスクが高いといった生地は、長期運用の観点から注意が必要です。
③ 見た目(企業イメージに合うか)
最後に、見た目です。これは単なるデザインではなく“印象をどうつくるか”という視点です。
- 清潔感があるか
- 高級感があるか
- カジュアルかフォーマルか
- 色や質感がブランドに合っているか
私たちは特に、風合いの良さと仕立て映えを重視しています。同じデザインでも、生地が変わるだけで完成度は大きく変わります。
業種別|おすすめの生地の考え方
ここでは、制服の生地選びの際に何を重視すべきか、私たちUNIX TOKYOでの事例も交えながら、業種別にご紹介します。
飲食業

飲食業の制服の生地選びでは、機能性と運用のしやすさのバランスが重要です。
食と音楽が融合したダイニング「BLUE NOTE PLACE(ブルーノート・プレイス)」の制服づくりでは、こうした観点から生地選定を行いました。
シャツやトップスは、ストレッチや吸汗速乾に加えて、家庭での洗濯が可能なこと、防シワ性があることなど、日々の扱いやすさを考慮した素材を選定。エプロンやキッチンユニフォームでは、動きやすさに加えて、業務用クリーニングに耐える耐久性や、退色しにくさといった要素を重視し、生地を選びました。
<BLUE NOTE PLACEの導入事例を詳しく見る>
ホテル

ホテルは“空間の一部としての制服”が求められます。
ラグジュアリーホテルでは、見た目の風合いと機能性の両立が必須です。さらに、エリアの気候やセクションによって最適な素材は変わります。
三井不動産グループの運営するラグジュアリーホテル「ハレクラニ沖縄」では、ジャケットの生地にシアサッカー素材を採用。制服に使われることの少ない生地ではありますが、風が通り抜けるような軽やかさがありながら、見た目はきちんとした印象を与える素材を選定し、唯一無二のジャケットが完成しました。
<ハレクラニ沖縄の導入事例を詳しく見る>
製造業
製造業では、安全性や機能性が最優先になります。
例えば、電子製品を扱う現場では静電防止素材、高温設備がある現場では溶けにくい綿素材、といったように、業種や工程によって最適解は大きく変わります。
単に丈夫な生地ではなく、現場でのリスクを防ぐ生地を選ぶことが重要です。
既製品とオーダーメイドの制服、生地選びはどう異なる?

既製品とオーダーメイドの大きな違いは、選択肢の幅と最適化の精度です。
既製品の場合、価格を抑える前提があるため、どうしても機能性や風合いは一定の制約を受けます。
一方でオーダーメイドは、生地の選択肢が圧倒的に広く、現場に合わせて最適化できます。
さらに、ブランドイメージにも寄せられるといった強みがあります。機能を組み合わせながら設計できるため、「選べない生地はない」と言えるほど自由度が高く、より理想に近いユニフォームを実現しやすくなります。
生地選びでよくある失敗例
実際の現場で多いのが、次のようなケースです。
- 見た目だけで決めてしまう
- 価格だけで判断してしまう
- 洗濯環境を考慮していない
- 現場の声を反映していない
特に、導入後に気づく問題は、コストも手間も大きくなります。事前にどれだけ想定できるかが重要です。
失敗しないためのポイント
では、どうすれば失敗を防げるのでしょうか。私たちUNIX TOKYOが大切にしているポイントは、シンプルですが次の4つです。
- ヒアリング:現場のリアルな声を丁寧に拾う
- 試着・サンプル確認:実際に触れて、着て、判断する
- 使用環境の整理:気温、動き、洗濯方法などを具体的に把握する
- プロに相談する:経験に基づいた視点を取り入れる
どれも基本的なことですが、これらを丁寧に行うかどうかで、仕上がりは大きく変わります。
まとめ
制服の生地選びは、単なる素材選定ではありません。私たちはそれを「働きやすさへの投資」だと考えています。
長く着るほど、着心地や耐久性の差は確実に現れます。そしてその差は、現場の満足度や企業イメージにもつながっていきます。
だからこそ、生地選びにはしっかり時間をかけてほしい。そのうえで、オーダーメイドという選択肢を活かせば、より理想に近い制服を実現できます。
もし今、制服の見直しを検討されているなら、ぜひ一度「生地」から考えてみてください。



