創業から60年以上の歴史を持つ株式会社ホーマーイオン研究所が、美容事業のひとつである「モイスティーヌ」のオリジナルユニフォームを制作したのは、今から約8年ほど前のこと。

ブランドのフィロソフィーをデザインで表現するだけでなく、幅広い年代の方が心地よく着られる機能性も兼ね備えています。細部までこだわり抜いたユニフォームに込めた想いについて、ディレクターの味埜さんにお話を伺いました。

医療技術を応用した美容ブランド「モイスティーヌ」の誕生

ホーマーイオン研究所は「電気刺激と生体反応」をテーマに、低周波治療器やイオン導入器など独自製品の研究・開発を行う医療機器メーカーです。予防と治療の観点から、人々の健康をサポートしています。

この高度な医療技術を美容へと転換し、誕生したのがスキンケアブランド「モイスティーヌ」です。

「電気の力で体内にお薬を届ける仕組みを応用し、美容成分を肌の深部へ届ける美容器を開発したのがブランドの始まりです。
現在は美容器と一緒に使用するスキンケアも展開しており、全国のサロンでは専任のアドバイザーが肌質やコンディションに合わせたケアをご提案しながら、モイスティーヌのメソッドを体験していただけます」

自宅で本格的なスキンケアができる同ブランドは多くのお客様に愛され、2018年に30周年を迎えました。その節目に、ブランドの質をさらに高めるべくオリジナルユニフォームの制作を決意。

しかし、理想を形にするまでには、大きなハードルがあったといいます。

アドバイザーの9割が「着たい」と思えるユニフォームへの挑戦

既製品ではなく、あえてユニフォームを一からつくることにこだわったのには、明確な理由がありました。

「30周年を迎えるタイミングで、良きものを継承し、変えていくものを強みとして打ち出していこうと、ブランディング強化の話になりました。お客様が増え、知名度があがっていく中で、全国にあるサロンのどこに行っても満足してもらいたい。その要素のひとつとして、制服を作ろうという話になったのです

しかし、そこには大きな課題もありました。

「独立したサロンオーナーの皆さんが販売を担う形のため、ラグジュアリーなサロンから、ご自宅でされているようなカジュアルなサロンまで、雰囲気はそれぞれ。また、着ているお洋服もジャケット、ワンピース、カジュアルな服装とさまざまでした。

さらに、アドバイザーたちの年代も様々で、モイスティーヌを取り扱っているという共通点を除いては、地域も、お店の雰囲気も、年代も、本当に幅広い状態だったのです

モイスティーヌは幅広い年代のお客様に愛されるブランド。その多様性こそが強みである一方、全国のサロンに統一したブランドイメージを届けることが、大きなテーマでした。

さらに、制服の導入そのものに反対の声もあり、丁寧なすり合わせが必要だったと言います。

「『サロンスタッフには好きなものを着てほしい』『うちのサロンには今の格好が合っている』といったお声もいただきました。それぞれのサロンへの愛着や想いがあってこそのご意見です。

だからこそ、サービスの質を高めながら、9割の方が『この制服なら着たい』と思ってくださるものを丁寧につくっていこうと考えていました

そうした厳しい状況の中で、白羽の矢が立ったのが、UNIX TOKYOでした。決め手は2つあったと味埜さんは話します。

「一つは、担当デザイナーへの絶対的な信頼です。先ほどお伝えしたように、アドバイザーは地域も年代もバラバラという独特な環境ですが、その状況をとても早くキャッチアップしてくださいました。そして、会話をしていく中で、『モイスティーヌにとっての制服とは何たるか』を一緒に考えていただけるという確信があった。これが一番の決め手となりました。

もう一つは、提案からデザイン、工場とのやりとりまで一貫して担当してくださるワンストップ制です。担当デザイナーと丁寧にすり合わせて決めたことが、そのままカタチになって届く。その一貫性がとても心強かったです」

現場からの期待と不安が入り混じるなかで進められたプロジェクト。試行錯誤の末に、ついにブランドの新しい象徴となる一着が形となりました。

凛とした上品さと、全世代が働きやすい機能性を兼ね備えた制服へ

完成したオリジナルユニフォームは、モイスティーヌらしい上品さと美しさを体現しながら、ハードなサロンワークにも対応できる機能性を兼ね備えたものになりました。

ジャケット

フォーマルでエレガントな佇まいでありながら、カーディガンのように軽く動きやすいのが特徴。襟元とボディには軽めの芯地を入れて美しい形をキープし、腰にくびれをつけることで上品なシルエットに仕上げています。

「着用したままでも接客が行えるよう、袖口は折り返しができる仕様になっています。手を動かしても袖が落ちてくることがなく、接客中のストレスもありません」

ブラウス・タイ

着替えの際にメイクがつかないよう、前開きの設計を採用。自宅で洗え、ノーアイロンでもシワになりにくい素材を選ぶことで、常に清潔感のある状態でお客様の前に立てるよう配慮しています。

「モイスティーヌのブランドカラーである紫は、お客様の目に留まるよう、顔まわりに取り入れていただきました。このタイは真結びするだけで華やかさが加わります。スカーフを巻くのが苦手な方にもご好評をいただいています」

ワンピース

「ぜひ欲しい」という声を受けて誕生したバリエーションアイテム。タックを深めにとることで体型の変化にも柔軟に対応でき、リボンはお好みに合わせて取り外しも可能です。

「『ファスナーに手が届かない人もいるかも』と相談したところ、可愛いスライダーをつけてくださいました。悩みの解決策を、素敵なデザインで返してくれることに感動しました」

機能的な要望を形にするだけでなく、ブランドの背景にまで深く入り込む。それこそが、UNIX TOKYOとのものづくりを通じて感じた「オーダーメイドの醍醐味」だったと、味埜さんさんは振り返ります。

「アンバサダーの写真や実際のサロンをお見せしながら、『こういう方たちが着るんです』という情報を細かく共有し、すり合わせを重ねることができました。担当デザイナーさんが現場のことを深く理解してくださったからこそ、誰が着ても違和感のない一着に仕上がったと感じています。オーダーメイドで制服をつくる意味を、改めて実感しました

制服の企画着手から約10年。その歩みの中で味埜さんがブレることなく持ち続けてきた、ひとつの思いがあります。

お仕事を始めて間もないアンバサダーさんが、服装への投資や自分のセンスに迷うことなく、モイスティーヌらしさを体現できるものを作りたい。それが最初からの願いでした。現場の直接的な意見はもちろん、ときには『声なき要望』にまでしっかりと耳を傾けながら、少しずつリニューアルを重ね、着続けてもらえる制服を目指してきました

その積み重ねが、長きにわたる信頼関係へとつながっています。

「継続してお付き合いをさせていただいている一番の理由は、ご提案いただいた制服がとてもいいからです。着やすさや手入れのしやすさについて、マイナスの声が圧倒的に少なかった。
この信頼関係があるからこそ、5年に1度くらいはバリエーションを増やしたり、リニューアルを重ねながら、ブランドとともに制服も育てていきたいと考えています」

制服をお守りに、ブランドとともに歩み続ける

約10年をかけて育ててきたユニフォームへの思いは、モイスティーヌの展望へとつながっていきます。

「お客様がどの店舗に行っても、どのアドバイザーさんと会っても、モイスティーヌというブランドを感じていただけるようにしたいと思っています。制服はアドバイザーさんの個性を消すものではなく、袖を通したときに『さあ、やるぞ』と気持ちが切り替わる、背中を押してくれる存在であってほしい。

アドバイザーさん一人ひとりが自信を持ってお客様と向き合えるよう、私たちもブランドの中身を日々磨き続けていく。それが、モイスティーヌとともに歩むということだと思っています」

一着のユニフォームは、ブランドの誇りであり、アドバイザー一人ひとりへ託した想いそのものでもあります。モイスティーヌとUNIX TOKYO、両社の歩みはこれからも続いていきます。

UNIX TOKYOのスタッフ。

制作担当者

西原義宗

まずはお客様のお話にじっくり耳を傾け、働く現場にも足を運びます。そこで感じるリアルな声や企業らしさを大切に、単に「オシャレ」だけでなく、本質的な企業価値向上に繋がるユニフォームを一緒に考えます。リゾートホテル、小売、化粧品など様々な業界を担当してきた経験を活かし、皆様に寄り添うデザインをご提案します。