日本におけるオフィスウェアの始まり

日本国内において制服の着用が始まったのは、1960年代だとされています。戦後は物資が不足していたため、働く女性たちは衣服を汚れから守るために丈の長い羽織を自前で用意していました。

しかし、1960年代の高度経済成長期に入ると、働く女性が増加するとともに衣類に使用する素材の開発も進みます。こうした流れのなかで、女性の仕事着に関しても改良の流れが加速し、銀行をはじめとして制服が導入されることとなったのです。

羽織物はジャケットに変わり、カラーリングも明るいものへと変化しました。そして、ジャケットにスカートを合わせるようになり、それぞれの企業のブランドイメージを反映させるものへと進化していきました。

1970年以降の変革期

1970年になり、当時開催された大阪万博によってオフィスウェアには大きな変革が訪れます。企業が、オフィスウェアを宣伝ツールの1つとして活用したのです。それぞれのブランドイメージを反映させた制服を、各パビリオンのコンパニオンに着用させました。

当時はミニスカートが全盛期であり、丈の短いワンピースが主流となっていきます。ファッション性の高いオフィスウェアが次々と生み出され、大きな話題になりました。

1980年代に入ると、オフィスウェアはお仕着せではなく、女性社員が自身の着用したい制服を選ぶ時代になります。DC（デザイナーズ＆キャラクターズ）ブランドブーム到来により、有名デザイナーが生み出した華やかなオフィスウェアが登場するようになりました。

バブル崩壊による変化

1990年代にバブルが崩壊すると、オフィスウェアを取り巻く環境は一変します。コスト削減の流れのなかで、制服廃止が進んでいきました。

現在の状況

現在でも、オフィスウェアや制服はもちろん存在しています。企業イメージやコンセプトを表現したデザインが中心となり、そこへデザイン性やファッション性を取り入れる企業も多く存在するようになりました。なかには、社員の意見を取り入れて定期的なデザインの見直しを行っている企業もあり、時代とともにオフィスウェアは変化し続けています。

ニット

ニット素材は、動きやすいうえにお手入れも簡単なことから、オフィスウェアにおいて高い人気を誇ります。着心地が軽く蒸れない、柔らかい素材でありながらフォーマルな雰囲気を崩さない点などが魅力的です。

素材に伸縮性があるため、着ていて突っ張りません。着用によるストレスを感じにくく、オフィスで忙しく働く女性たちからの人気を集めています。洗濯後はアイロンをかけずに着用できる点も、日常的に着用するオフィスウェアにおいては大きなポイントです。

ニットはワンピースやベスト、ジャケットなど様々なオフィスウェアに使用されています。

丈が長めのスカート

近年主流となっているのが、丈が長めのスカートです。スマートシルエットなら小柄な人でもピッタリであり、ミディアム丈にすることでエレガントな雰囲気を演出できます。長め丈でも、キュロットタイプにすることで動きやすさも確保できます。

清潔感

オフィスウェアにおいて欠かせないのが清潔感です。ビジネスに必要な信頼を勝ち取るためには、清潔感が欠かせません。現在では抗菌や消臭、抗ウイルス加工など、清潔に保てる機能を持ったオフィスウェアが多数あります。